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宇佐見りん『推し、燃ゆ』のあらすじや設定と感想|経歴と作品一覧

宇佐見りん『推し、燃ゆ』の表紙画像

『推し、燃ゆ』は、第164回芥川賞(2020年下半期)を受賞した、宇佐見りんさんの小説作品です。

当時、弱冠21歳での芥川賞受賞ということで、それまでの受賞者の年齢を調べたところ2004年に受賞した綿矢りささんの19歳が最年少で、ついで同年の同時受賞だった金原ひとみさんの20歳、宇佐見りんさんは3番目に若い受賞でした。

まさしく快挙ですね。

今回はその芥川賞受賞作品『推し、燃ゆ』のあらすじや物語の設定、感想を中心に、作者である宇佐見りんさん自身についても触れていきたいと思います。

素晴らしい作品でしたので、早速見ていきましょう。

宇佐見りん『推し、燃ゆ』のあらすじや設定

2020年9月10日、宇佐美りんさんが河出書房新社から刊行していた、小説作品の『推し、燃ゆ』

こちらはとても興味深い内容でした。

推しのアイドルを解釈することに人生をかける主人公が、そのアイドルの炎上に直面するという内容だったのです。

「燃ゆ」が「炎上」だったとは中々に意外ですね。

ふつうは物質的な発火をイメージするでしょうから。

推しのアイドルを解釈することに人生をかける、という主人公の設定も当時としては斬新でした。

今でこそ「推し活」というワードが一般化していますが、この『推し、燃ゆ』が観光された2020年9月及び、この作品を着想したであろう2019年当時はまだ「推し」という言葉すら私たちはまだ使っていません。

こうしたワードや心情・炎上する現象を題材にするとは、すごい先見性と言えるでしょう。

未読の方は、ぜひ、手に取っていただきたいと思います。

宇佐見りん『推し、燃ゆ』の感想

それでは宇佐見りんさんの芥川賞受賞作品『推し、燃ゆ』の感想をいくつか紹介いたします。

感想

「推しって ほんと 心のよりどころ。」
華はなさん 投稿日:2021年2月16日
ダイスケリチャード氏のジャケに目が留まり、推しについて 書かれてあるとならば、読まずにいられませんでした。推しは アイドルかもしれないし、作品の中のフィクションの相手からもしれません。だけど、推しがいる人は誰でも 共感できると思います。と、 同時に、推しがいなくなるとは?を 考えると ぞっとするかもしれません。個人的に アイドルを推してた時もあったし、解散や事件で このヒロインのような気持ちを体感したことがあります。作品の中でも やっぱり 推しはいて、その彼、彼女が 消えてしまわなくなる出来事があると、心が消沈してしまいます。普通の生活から 見事に 転落してしまうこともありました。ヒロインは まだ 10代だし、柔らかな心を持っていて 年を重ねた私ほど 心が強くなってはいないだけに、余計に 推しがいなくなることに 衝撃を味わっていて、そして、その彼女の心情が とても 上手く表現されていたと思いました。長編でもないので、さらっと読めるので、推しがいる方は ぜひ。 そして、アイドルやファンを大切にするエンタメの方々にも 読んで欲しいです。ファンが 心身ともに あなた様に捧げているってこと、覚えていて欲しいです。
コミックシーモア

感想

「推し」がいるすべての人へ
あかさたなはさん 投稿日:2021/2/12
「アイドルの推し」を生活の「背骨」とし、その「背骨」を通して世の中とつながっている主人公の「感覚」の表現の凄まじさに鳥肌が立った。そして、「推しの(ネットでの)炎上」というテーマが「今」なので、「今」読んでほしい本。
コミックシーモア

感想

友達のおすすめで来ました
ゆうあさん 投稿日:2022/11/30
ヲタ友が共感できる部分あるよ〜と言われて買ってみました。ヲタクとして共感できる展開があったり、思ったより短かった話ですぐ読み終わりましたが、ところどころが重くて普段読む小説のスタイルと似てて更に好きになりました
コミックシーモア

感想

「今」読む本
ピカさん(女性) (投稿数1580件) 投稿日:2021年5月4日
「推し」っていつから言うようになったんでしょう?推し活というものに全く縁も興味もないけれど、話題だから読んでみようと図書館で半年待って借りました。なるほど、推し活というものがどういうものか理解しました。が、主人公の生きづさらがあまりにも痛々しく不憫でならず、計らずも同じように生きづさらをかかえる身内を想い息苦しくなりながらもまだまだ人生長い彼女がどうか光を見つけられますように…と祈りながら一気に読み切りました。子供の頃のお風呂でのエピソード、胸が抉られました。まだ高校生の彼女に、まわりの大人はなぜ手を差し伸べないのか歯痒くて… 何かに過度に入れ込むのって、単純に楽しいとか好きとかもあると思うけど、意識無意識に関わらず多くは現実逃避ですね。
コミックシーモア

宇佐見りんの経歴

宇佐美りんさんは、1999年5月16日生まれの静岡県沼津市の出身で、現在の年齢は25歳となっています。

まだ大学生で、20歳だった2019年に、『かか』で文藝賞を受賞したことによって、作家デビューをはたしていた、宇佐美りんさん。

この宇佐美りんさんの記念すべき作家デビュー作である『かか』は高く評価され、2020年には、三島由紀夫賞を、史上最年少にて受賞するという、大変な快挙を達成したのです。

年齢の若さ、デビュー作であること、文学賞の重さを考えれば、そうとうな偉業であることがお分かりいただけることでしょう。

しかし、『かか』は、さらに野間文芸新人賞にもノミネートされていましたから、宇佐美りんさんは、本当にデビュー早々、たいした活躍なのでした。

宇佐美りんさんが受賞した文藝賞は、河出書房新社の公募型文学新人賞

これまでに受賞した作品は、2011年が、今村友紀さんの『クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰』。

2012年が、谷川直子さんの『おしかくさま』。

2013年が、桜井晴也さんの『世界泥棒』。

2014年が、李龍徳さんの『死にたくなったら電話して』、金子薫さんの『アルタッドに捧ぐ』。

2015年が、山下紘加さんの『ドール』、畠山丑雄さんの『地の底の記憶』。

2016年が、町屋良平さんの『青が破れる』。

2017年が、若竹千佐子さんの『おらおらでひとりいぐも』。

2018年が、日上秀之さんの『はんぷくするもの』、山野辺太郎さんの『いつか深い穴に落ちるまで』。

2019年が、宇佐見りんさんの『かか』、遠野遥さんの『改良』。

2020年が、藤原無雨さんの『水と礫』、新胡桃さんの『星に帰れよ』となっていました。

一方、三島由紀夫賞は、芥川賞に次ぐ純文学の非公募型新人賞。

これまでに受賞した作品は、2011年が、今村夏子さんの『こちらあみ子』。

2012年が、青木淳悟さんの『私のいない高校』。

2013年が、村田沙耶香さんの『しろいろの街の、その骨の体温の』。

2014年が、本谷有希子さんの『自分を好きになる方法』。

2015年が、上田岳弘さんの『私の恋人』。

2016年が、蓮實重彦さんの『伯爵夫人』。

2017年が、宮内悠介さんの『カブールの園』。

2018年が、古谷田奈月さんの『無限の玄』。

2019年が、三国美千子さんの『いかれころ』。

2020年が、宇佐見りんさんの『かか』となっていました。

そして何と言っても『推し、燃ゆ』で受賞した2020年下半期の芥川賞

市場三番目の低年齢21歳での受賞ということで話題となりました。

そんな宇佐美りんさんの好きな作家は、中上健次さんとのこと。

これからも、宇佐美りんさんの作家としての活躍が、楽しみで仕方ありませんね。

宇佐見りんの学歴

宇佐美りんさんの学歴も気になりますが、こちらはくわしいことは分かっていません。

大学在学中に、文藝賞、三島由紀夫賞を受賞していますが、その大学も不明です。

もっとも、宇佐美りんさんは、静岡県沼津市で生まれ、神奈川県で育ったといいますから、関東地方の大学に進学した可能性が高いのではないでしょうか?

今後、明らかになってくればいいですね。

宇佐見りんの小説作品一覧

続いては、これまでに宇佐美りんさんが手がけてきた小説をチェックしていきましょう。

これまでに刊行された作品は、2019年の河出書房新社の『かか』(三島由紀夫賞受賞作品)。*最年少

2020年の河出書房新社の『推し、燃ゆ』

同年『顔パックの悲しみ』(『群像』2020年10月号に掲載されたエッセイ)。

そして2022年『くるまの娘』(第44回野間文芸新人賞候補作品)となっていました。

今後も、このペースで、宇佐美りんさんが新作を発表してくれることを心待ちにしましょう。

当時まだ大学生にして、有名な文学賞を複数、受賞していた、宇佐美りんさん。

デビューからわずかな期間でこれですから、今後いったいどのような作家に成長していくのでしょうか。

さらなる今後の活躍も、しっかり注視していきましょう。

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