日本を代表する文学賞といえば、毎年2回の発表が待ち遠しい、芥川賞と直木賞ですよね。
ここでは、直木賞について、おさらいしてみたいと思います。
長い歴史を誇り、幾多の名作を世に送り出してきた、直木賞。
そんな直木賞の歴代の受賞者と受賞作品とは、どのようになっていたのでしょうか。
ここでは、各時代別に、直木賞の歴代の受賞者と受賞作品をピックアップしていきたいと思います。
また、直木賞の受賞作品の人気ランキング1位も、各時代別に見ていきますので、ご覧ください。
なお、令和の受賞作品と受賞作家については各年の上半期・下半期に分けて記載しています。
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もくじ
昭和前半の直木賞受賞者と作品と人気ランキング1位
昭和前半の直木賞受賞作品、受賞作家は、以下のとおりです。
1930年代が、川口松太郎さんの「鶴八鶴次郎」、「風流深川唄」、「明治一代女」、鷲尾雨工さんの『吉野朝太平記』、海音寺潮五郎さんの「天正女合戦」、「武道傳來記」、木々高太郎さんの『人生の阿呆』、井伏鱒二さんの『ジョン萬次郎漂流記』、橘外男さんの「ナリン殿下への回想」、大池唯雄さんの「兜首」、「秋田口の兄弟」。
1940年代が、堤千代さんの「小指」、河内仙介さんの「軍事郵便」、村上元三さんの「上総風土記」、木村荘十さんの「雲南守備兵」、田岡典夫さんの「強情いちご」、神崎武雄さんの「寛容」、山本周五郎さんの「日本婦道記」、森荘已池さんの「山畠」、「蛾と笹舟」、岡田誠三さんの「ニューギニヤ山岳戦」、富田常雄さんの「面」、「刺青」。
1950年代が、山田克郎さんの「海の廃園」、今日出海さんの「天皇の帽子」、小山いと子さんの「執行猶予」、檀一雄さんの「真説石川五右衛門」、「長恨歌」、源氏鶏太さんの「英語屋さん」、「颱風さん」、「御苦労さん」、久生十蘭さんの「鈴木主水」、柴田錬三郎さんの「イエスの裔」、藤原審爾さんの「罪な女」、立野信之さんの「叛乱」、有馬頼義さんの『終身未決囚』、梅崎春生さんの「ボロ家の春秋」、戸川幸夫さんの「高安犬物語」、邱永漢さんの「香港」、新田次郎さんの『強力伝』、南條範夫さんの「燈台鬼」、今官一さんの『壁の花』、今東光さんの「お吟さま」、穂積驚さんの「勝烏」、江崎誠致『ルソンの谷間』さん、山崎豊子さんの『花のれん』、榛葉英治さんの『赤い雪』、城山三郎さんの「総会屋錦城」、多岐川恭さんの『落ちる』、渡辺喜恵子さんの『馬淵川』、平岩弓枝さん「鏨師」。
これらのうち、人気になった作品としては、山崎豊子さんの『花のれん』が挙げられます。
昭和後半の直木賞受賞者と作品と人気ランキング1位
昭和後半の直木賞受賞作品、受賞作家は、以下のとおりです。
1960年代が、司馬遼太郎さんの『梟の城』、戸板康二さんの「團十郎切腹事件」、池波正太郎さんの「錯乱」、寺内大吉さんの「はぐれ念仏」、黒岩重吾さんの『背徳のメス』、水上勉さんの「雁の寺」、伊藤桂一さんの「螢の河」、杉森久英さんの『天才と狂人の間』、山口瞳さんの「江分利満氏の優雅な生活」、杉本苑子さんの『孤愁の岸』、佐藤得二さんの『女のいくさ』、安藤鶴夫さんの『巷談本牧亭』、和田芳恵さんの『塵の中』、永井路子さんの『炎環』、安西篤子さんの「張少子の話」、藤井重夫さんの「虹」、新橋遊吉さんの「八百長」、千葉治平さんの「虜愁記」、立原正秋さんの「白い罌粟」、五木寛之さんの「蒼ざめた馬を見よ」、生島治郎さんの『追いつめる』、野坂昭如さんの「アメリカひじき」、「火垂るの墓」、三好徹さんの「聖少女」、陳舜臣さんの「青玉獅子香炉」、早乙女貢さんの『僑人の檻』、佐藤愛子さんの『戦いすんで日が暮れて』。
1970年代が、結城昌治さんの「軍旗はためく下に」、渡辺淳一さんの「光と影」、豊田穣さんの『長良川』、綱淵謙錠さんの『斬』、井上ひさしさんの「手鎖心中」、長部日出雄さんの「津軽世去れ節」、「津軽じょんから節」、藤沢周平さんの「暗殺の年輪」、藤本義一さんの「鬼の詩」、半村良さんの「雨やどり」、井出孫六さんの『アトラス伝説』、佐木隆三さんの『復讐するは我にあり』、三好京三さんの『子育てごっこ』、津本陽さんの「深重の海」、色川武大さんの「離婚」、宮尾登美子さんの『一絃の琴』、有明夏夫さんの『大浪花諸人往来』、田中小実昌さんの「浪曲師朝日丸の話」、「ミミのこと」、阿刀田高さんの『ナポレオン狂』。
1980年代が、向田邦子さんの「花の名前」、「かわうそ」、「犬小屋」、志茂田景樹さんの『黄色い牙』、中村正䡄さんの『元首の謀叛』、青島幸男さんの『人間万事塞翁が丙午』、つかこうへいさんの『蒲田行進曲』、光岡明さんの『機雷』、深田祐介さんの『炎熱商人』、村松友視さんの「時代屋の女房」、胡桃沢耕史さんの『黒パン俘虜記』、神吉拓郎さんの『私生活』、高橋治さんの「秘伝」、連城三紀彦さんの『恋文』、難波利三さんの『てんのじ村』、山口洋子さんの『演歌の虫』、『老梅』、森田誠吾さんの『魚河岸ものがたり』、林真理子さんの『最終便に間に合えば』、『京都まで』、皆川博子さんの『恋紅』、逢坂剛さんの『カディスの赤い星』、常盤新平さんの『遠いアメリカ』、白石一郎さんの『海狼伝』、山田詠美さんの『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』、阿部牧郎さんの『それぞれの終楽章』、西木正明さんの「凍れる瞳」、「端島の女」、景山民夫さんの『遠い海から来たCOO』。
これらのうち、人気になった作品としては、野坂昭如さんの「火垂るの墓」、佐木隆三さんの『復讐するは我にあり』、つかこうへいさんの『蒲田行進曲』が挙げられます。
もっとも人気があるのは、野坂昭如さんの「火垂るの墓」でしょうか。
平成の直木賞受賞者と作品と人気ランキング1位
平成の直木賞受賞作品、受賞作家は、以下のとおりです。
1980年代が、杉本章子さんの『東京新大橋雨中図』、藤堂志津子さんの『熟れてゆく夏』、ねじめ正一さんの『高円寺純情商店街』、笹倉明さんの『遠い国からの殺人者』。
1990年代が、星川清司さんの『小伝抄』、原尞さんの『私が殺した少女』、泡坂妻夫さんの『蔭桔梗』、古川薫さんの『漂泊者のアリア』、宮城谷昌光さんの『夏姫春秋』、芦原すなおさんの『青春デンデケデケデケ』、高橋義夫さんの「狼奉行」、高橋克彦さんの『緋い記憶』、伊集院静さんの『受け月』、出久根達郎さんの『佃島ふたり書房』、高村薫さんの『マークスの山』、北原亞以子さんの『恋忘れ草』、佐藤雅美さんの『恵比寿屋喜兵衛手控え』、大沢在昌さんの『新宿鮫 無間人形』、中村彰彦さんの「二つの山河」、海老沢泰久さんの『帰郷』、赤瀬川隼さんの『白球残映』、小池真理子さんの『恋』、藤原伊織さんの『テロリストのパラソル』、乃南アサさんの『凍える牙』、坂東眞砂子さんの『山妣』、篠田節子さんの『女たちのジハード』、浅田次郎さんの『鉄道員(ぽっぽや)』、車谷長吉さんの『赤目四十八瀧心中未遂』、宮部みゆきさんの『理由』、佐藤賢一さんの『王妃の離婚』、桐野夏生さんの『柔らかな頬』。
2000年代が、なかにし礼さんの『長崎ぶらぶら節』、船戸与一さんの『虹の谷の五月』、金城一紀さんの『GO』、山本文緒さんの『プラナリア』、重松清さんの『ビタミンF』、藤田宜永さんの『愛の領分』、山本一力さんの『あかね空』、唯川恵さんの『肩ごしの恋人』、乙川優三郎さんの『生きる』、石田衣良さんの『4TEEN フォーティーン』、村山由佳さんの『星々の舟』、江國香織さんの『号泣する準備はできていた』、京極夏彦さんの『後巷説百物語』、奥田英朗さんの『空中ブランコ』、熊谷達也さんの『邂逅の森』、角田光代さんの『対岸の彼女』、朱川湊人さんの『花まんま』、東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』、三浦しをんさんの『まほろ駅前多田便利軒』、森絵都さんの『風に舞いあがるビニールシート』、松井今朝子さんの『吉原手引草』、桜庭一樹さんの『私の男』、井上荒野さんの『切羽へ』、天童荒太さんの『悼む人』、山本兼一さんの『利休にたずねよ』、北村薫さんの『鷺と雪』。
2010年代が、佐々木譲さんの『廃墟に乞う』、白石一文さんの『ほかならぬ人へ』、中島京子さんの『小さいおうち』、木内昇さんの『漂砂のうたう』、道尾秀介さんの『月と蟹』、池井戸潤さんの『下町ロケット』、葉室麟さんの『蜩ノ記』、辻村深月さんの『鍵のない夢を見る』、朝井リョウさんの『何者』、安部龍太郎さんの『等伯』、桜木紫乃さんの『ホテルローヤル』、朝井まかてさんの『恋歌』、姫野カオルコさんの『昭和の犬』、黒川博行さんの『破門』、西加奈子さんの『サラバ!』、東山彰良さんの『流』、青山文平さんの『つまをめとらば』、荻原浩さんの『海の見える理髪店』、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』、佐藤正午さんの『月の満ち欠け』、門井慶喜さんの『銀河鉄道の父』、島本理生さんの『ファーストラヴ』、真藤順丈さんの『宝島』。
これらのうち、人気になった作品としては、浅田次郎さんの『鉄道員(ぽっぽや)』、宮部みゆきさんの『理由』、なかにし礼さんの『長崎ぶらぶら節』、金城一紀さんの『GO』、東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』、池井戸潤さんの『下町ロケット』、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』が挙げられます。
最も人気があるのは、池井戸潤さんの『下町ロケット』でしょうか。
令和の直木賞受賞者と作品と人気ランキング1位
令和の直木賞受賞作品、受賞作家は、以下のとおりです。
2019年上半期が、大島真寿美さんの『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』。
2019年下半期が、川越宗一さんの『熱源』。
2020年上半期が、馳星周(はせ せいしゅう)さんの『少年と犬』。
2020年下半期が、西條奈加さんの『心淋し川』。
2021年上半期が、佐藤究(さとう きわむ)さんの『テスカトリポカ』と、澤田瞳子(さわだ とうこ)さんの『星落ちて、なお』。
2021年下半期が、今村翔吾さんの『塞王の楯』と、米澤穂信(よねざわ ほのぶ)さんの『黒牢城』。
2022年上半期が、窪美澄(くぼ みどり)さんの『夜に星を放つ』。
2022年下半期が、小川哲(おがわ さとし)さんの『地図と拳』と、千早茜(ちはや あかね)さんの『しろがねの葉』となっていました。
最も人気があるのは、馳星周さんの『少年と犬』、今村翔吾さんの『塞王の楯』、千早茜さんの『しろがねの葉』が同列でしょうか。
年月を考えれば当然ですが、直木賞の受賞作品と受賞作家がこれだけ存在したとは驚きですし、壮観ですよね。
あらたに発表される候補作、候補作家が、ますます楽しみになりそうです。
まだまだ少ない令和の受賞作品、受賞作家にも期待しましょう。