史上最年少で芥川賞を受賞した綿矢りさんといえば、とくに文学好きではない人のあいだにおいても、知名度がきわめて高い存在ではないでしょうか。
綿矢りささんが芥川賞を受賞してからかなり時が経ちましたが、その人気はいまだに衰えることはありませんからね。
そこで、そんな綿矢りささんのこれまでの作家としての経歴がどのようなものだったのかを、これから確認してまいりたいと思います。
また、綿矢りささんの作品のうち、おすすめしておきたい小説、そして芥川賞受賞作品である『蹴りたい背中』のあらすじ、感想についても、ご紹介してまいりますので、ご覧ください。
綿矢りさの経歴
綿矢りささんは、1984年2月1日、京都府の出身で、現在の年齢は、40歳になっています。
2001年、まだ高校生だったころ、『インストール』で文藝賞を受賞して、作家デビューをはたした、綿矢りささん。
当時、綿矢りささんはまだ17歳という若さで、これは、1981年に『アイコ十六歳』で受賞した堀田あけみさんに続く最年少記録となりました。
『インストール』は、2002年には、三島由紀夫賞にノミネートされ、話題になります。
その後、大学に進学した綿矢りささんは、今度は大学在学中に、『蹴りたい背中』で高く評価されることに。
そして『蹴りたい背中』によって、2003年には野間文芸新人賞にノミネートされ、2004年には芥川賞を受賞したのでした。
受賞当時、綿矢りささんはまだ19歳であり、歴代最年少の芥川賞作家となったのです。
なお、このときは、当時20歳だった金原ひとみさんも、『蛇にピアス』で綿矢りささんと同時受賞となったため、芥川賞受賞作が2作、異常な大ベストセラーとなって、世間をにぎわせたものでした。
以後、綿矢りささんは、大学を卒業して、専業作家となります。
そして『蹴りたい背中』は、早稲田大学小野梓記念賞芸術賞を受賞して、綿矢りささんはこれ以降、次々に受賞していきました。
2008年には、京都府文化賞奨励賞を受賞し、世界経済フォーラムのYoung Global Leadersに選ばれたのです。
また、2010年には、『勝手にふるえてろ』で織田作之助賞にノミネート。
2012年には、『かわいそうだね?』で大江健三郎賞を受賞し、京都市芸術新人賞も受賞。
そして2019年には、『生のみ生のままで』で島清恋愛文学賞を受賞していたのでした。
綿矢りささんがこれまで刊行してきた作品は、2007年には、『夢を与える』。
2010年には、『勝手にふるえてろ』。
2011年には、『かわいそうだね?』。
2012年には、『ひらいて』、『しょうがの味は熱い』。
2013年には、『憤死』、『大地のゲーム』。
2015年には、『ウォークイン・クローゼット』。
2016年には、『手のひらの京』。
2017年には、『私をくいとめて』、『意識のリボン』。
2019年には、『生(き)のみ生のままで』。
2021年には『オーラの発表会』、『あのころなにしてた?』、
そして2022年には『嫌いなら呼ぶなよ』、となっていました。
今後も、これから作家としてより油の乗った状態となっていくであろう綿矢りささんの活動から目が離せそうにありませんね。
綿矢りさの学歴
ということで、作家として、異例としかいいようがない飛躍を遂げていた、綿矢りささん。
それでは、これまでに通ってきた高校や大学とは、いったい、どこだったのでしょうか。
綿矢りささんの出身高校は京都市立紫野高校、出身大学は早稲田大学教育学部国語国文学科でした。
作家としてのキャリアの豊富さのみならず、学歴も高学歴だったとは、驚愕ですね。
なお、京都市立紫野高校からは、濱中博久さん、竹内優美さん、山本兼一さん、和紗さん、桐村萌絵さん、林ゆうきさん、柏木圭一郎さん、紫野明日香さんなどが輩出されていました。
綿矢りさのおすすめ小説のあらすじと感想
続いては、綿矢りささんの作品のうち、おすすめしておきたい小説のあらすじ、感想について見ていきましょう。
個人的にもっともおすすめしたいのは、『インストール』ですね。
不登校になった女子高生が、男子小学生と出会い、彼からコンピューターによる風俗チャットのアルバイトを提案されるというストーリーでした。
女子高校生が書いたにしては過激な感じがする内容ではありますが、不登校になった女子高生の成長を描くという、いたって瑞々しい話になっています。
綿矢りさの芥川賞受賞作品のあらすじと感想
おしまいに、綿矢りささんの作品のうち、芥川賞受賞作品である『蹴りたい背中』のあらすじ、感想について、ご覧ください。
こちらもあらすじは秀逸です。
人間関係がうまくいかない女子高生と、アイドルオタクの男子高生の関係を描くストーリーなのでした。
女子高生の男子高生に対する、思春期特有の複雑きわまりない心理描写が、とても見事だと思います。
芥川賞の最年少受賞作という話題性に負けない、たしかな力があるといっていいでしょう。
綿矢りささんといえば、ルックスが美人すぎるということもあって、なにかとさわがれました。
しかし、外見だけではなく、作家としての実力もたしかですから、すごすぎます。
これからもどんな作品を発表してくれるのか、興味は尽きません。